庭先で家族の成長を見守ってきた木。先代が大切に手入れをしてきた、寺社の境内の老木。どうしても伐採しなくてはならなくなったとき、その木をただの「薪」や「処分品」として終わらせたくない——。私たちは、そんな施主様の想いを受け止め、伐り出された木材に木工旋盤で新たな命を吹き込みます。それは、数十年、数百年の記憶を、日々の暮らしに寄り添う一客の器へと繋ぐ、ささやかな「循環」の物語です。
木は、伐られた後も生き続けます。私たちは、伐採の現場でその木の最も美しい表情を持つ部分を見極め、丁寧に切り出します。長い年月をかけて刻まれた年輪、厳しい冬を耐え抜いた力強い木目。木工旋盤(ウッドターニング)という技法で削り出される曲線は、その木がこの地で生きてきた証そのものです。「さよなら」ではなく「これからも、共に」。あなたの側にあった風景が、形を変えて、再びあなたの手に。